事例6:改造不可能なアパート
プロフィール
I:トイレ 1)改造前 2)改造後  II:浴室 1)改造前 2)改造後 
プロフィール
  • 20代・男性
  • 障害名:頚髄損傷(C6完全)による四肢麻痺
  • Zancolli(ザンコリー)の分類:右 C6B2 / 左 C6B2
    (腱移行術により両肘伸展及び側腹つまみ可能)
  • Frankel(フランケル)の分類:A
  • 家族構成:独居ではあるが友人の協力が得られる。
  • ADL動作/最終段階
    • 食事:可能
    • 整容:可能
    • 更衣:可能
    • 排尿:可能(自己導尿)
    • 排便:レザートイレにて可能
    • 入浴:高床式洗い台にて可能
    • 自動車:身障者用に改良し運転可能

【改造計画】
 普通アパートであり、室内を加工する許可は得られなかったが、トイレ、風呂は自力で可能にするため台を設置することになった。
 独居ではあるが友人の協力が得られる。
 玄関の出入り、キッチンの使用が困難であるが、その他は自立生活可能。
 玄関についても許可さえあれば以下の方法も考えられた。


 
トイレ改造前

・入り口付近に段差があり、車いすが寄り付くことができない。
(トイレの内外とで2cmの高低差がある。)
・便座の高さも低すぎ、車いすには不適応である。
・トイレの中の広さも充分ではなく、動きがとりにくい。
・健常者の使用も考え、備え付けの台は設置せずに取り外し式にしたいとの希望。


 
トイレ改造後

・メタルジョイント(ヤザキ)を使用することにより狭いスペースでも中で組み立てて設置可能。(他、スポンジ性のすのこやレザー地の布を使用)
・便座上には市販の腰高(補高)便座(酒井医療株式会社 品番:L-6497 \31,000)を用いる。(台や腰高便座の上面を車いすと同じ高さの49cmに統一)
長座位にて前方トランスファー後、端座位となり前方より座薬を挿入し排泄を行なう。
・体幹不安定になるため、側方と前方に手すりを設けた。
・トイレの入り口に10cmの段差(敷居)があり、車いすが寄り付きにくいため前方移動を行うための台を作製。
・便座の両サイドはプッシュアップするための台を備え付けた。また、全ての動作をするために必要と考え手すり部分を設けた。
・健常者が使用する場合は、ドアの台と補高便座が簡単に取り外し可能でありドアの開閉が可能となる。
・車いすの寄付きが良いように留意した。

前方の手すりは排便時やプッシュアップ時に頭部を支持するために使用する。

 
浴室改造前

・浴室はユニットバスであり、トイレと同様入り口に段差があり間口が狭い。
・敷居も12cmあり車いすで中に入るのは困難である。
・健常者も使用するためドアを閉める必要がある。
 


 
浴室改造後
・車いすの座面と同じ高さの台を作製し、前方移動→長座位でシャワー浴を可能にする。
(身体の機能状態から浴槽の使用は困難である。)
・本人が使用する時は台を設置し、防水カーテンで水が浴室外へ流れないようにする。
・健常者使用の時には台を取り除き、扉を閉じて使用する。
・台にはスノコを敷き、その上にスポーツマットを敷く。
・作製にはイレクター、木製スノコとスポーツマットを使用。
トイレ改造費用:
¥25,450(イレクターパイプ ¥5,250、ジョイント ¥8000、 アジャスター ¥11,000、メタルジョイント ¥1200)
浴室改造費用:
¥48,750(イレクターパイプ ¥1,350、ジョイント ¥5,400、吸盤アジャスター ¥15,000、木製スノコ ¥3,000、スポーツマット ¥24,000)
[戻る]